大島の雨量(10/15-16)気象庁HP
伊豆大島を台風26号の大雨による土砂災害が襲ってから、4日目。
気象庁の対応だの、自治体の対応だの、誰が悪かったなど
ネットメディア含め半ば犯人探しのようにあれこれ書かれている。
まずは、東京都大島町に出された情報などを
時系列的にまとめてみる。
15日
11:30 気象庁による東京都の自治体向けの台風説明会
17:38 気象庁が大島町に大雨警報
18:05 気象庁と東京都が大島町に土砂災害警戒情報
16日
02:32 気象庁が記録的短時間大雨情報
03:47 気象庁が記録的短時間大雨情報
04:50 気象庁が記録的短時間大雨情報
このほかにも、気象庁は都や町に電話で雨の状況を
伝えていたとのこと。
一方で町は、直ちに避難は危険な状況との理由で
16日未明の段階では避難勧告や避難指示を出さなかった。
この理由自体は、妥当であると考える。
しかし、大島町の地域防災計画には
土砂災害警戒情報がでたら避難を促す旨あったとも言う。
避難勧告でなくとも、避難準備情報というものもある。
警報発表の段階で準備情報を出すだけでも
危険な状況であることは伝えられたかもしれない。
他方、情報や電話通報で逐一大島町に状況を伝えてきた気象庁は
翌日、なぜ大雨特別警報を出さなかったのかと問い詰められた。
16日の気象庁長官の定例会見でも、
特別警報は、今回、3時間雨量の格子点数はクリアしていたが
現象が府県程度の広がりがあることが
ひとつの指標となっているため、
それには及ばず、特別警報は出さなかったとのことだ。
この指標に従って運用した気象庁には問題ないと考える。
ただし、特別警報の指標がそもそも妥当なものかを
考えるのはまた別の問題。
特別警報のしくみ、構造自体に問題がないかは検討が必要。
それから、島しょ部は特別警報が出ない、出にくいということは
今回、新たに分かったこと。
でも、運用開始前には、周知しておきたかったと今更ながら思う。
あと、これは日常的に思うこと。
いままで、伝える側も「島だからいいや」と言って
情報を伝える対象から除外してきた風潮があるのは否めない。
天気予報を見ていても、県域のローカル放送は別にして
なかなか島しょ部の天気予報は伝えられていない。
台風接近時の各量的な情報も、蔑にされてきた感はある。
島は風が強く吹くのはいつもだからとか、マイナーだからとか。。。
ミクロな情報は、push情報では伝えきれないのは仕方ない。
時間や空間の制約もある。
しかし、ことが起きた後になって
島しょの情報をガンガンやり始めるのには、
あまりにげんきんな気がする。
島民は困惑するし呆れるだろう。
防災情報だけではないけれど、
ご都合主義はそろそろ卒業する時代が来たのではないでしょうか。
と、私はこの数日を振り返り感じた。

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