各報道の通り、きのう午前9時59分に
鹿児島県の口永良部島(屋久島の北西にある小島)で
9000mの噴煙をあげるほどの規模の大きい爆発的噴火が起きた。
その後、10時07分に気象庁は噴火警報を出した。
噴火警戒レベルは、3から5に引き上げ。
噴火警戒レベルが、5になるのは
2007年に噴火警戒レベルが導入されてから全国初のケース。
噴火の一報を映像ではなく、この情報で最初に、メールで知った私は
間違えじゃないかと思ったくらい
噴火警戒レベル5が出ることは特異で特別なことである。
私は火山の科学的なことには疎いので
噴火のメカニズムなどは詳しくは書けないが
専門の災害情報の観点から思うことを綴るとする。
思うところはたくさんあるが、
まず、口永良部島はもともと
噴火警戒レベルが3の山であったのだから
いつ噴いてもおかしくないといった状況下での今回の噴火。
なので、噴火したこと自体は驚いていない。
ネットなどの書き込みで散見されるが
噴火警戒レベルが導入されているから危ないとか
誤解もあるので、改めて噴火警戒レベルについて触れておくと
噴火警戒レベルが導入の火山=噴火の危険性が高いでない。
無論、導入されている山では、数字が多い方が危険度は高い。
しかしながら、噴火の規模については
それぞれの山の特徴があるので、
全ての山における噴火の規模とレベルは一定ではない。
噴火警戒レベルとは、一筋縄ではないかない火山防災の対応を
単純な数字でレベル化することにより防災対応をしやすくする仕組みで
国、都道府県、市町村などで作る火山防災協議会によって
科学的知見にもとづいて避難などの防災対応と予め決めておくものである。
全国の110の火山にすべて導入されてない
→導入されていない火山は安全。
そういう意味ではないことをまずは知ってほしい。
導入されていない理由は、単に火山防災協議会がないとか、
導入したくてもできない事情があって、
まだ整備されていないだけである。
現に蔵王山は活動が活発だか、レベルは導入されていない。
それにしても、今回の噴火の火砕流のエリアと
予め定めた規制区域が驚くほどに一致している。
これは、噴火警戒レベルの対応にもとづいた火山防災計画が
如何に制度の良いものかを実証する一つの結果になったであろう。
今回噴火のあった口永良部島のある屋久島町は、
去年8月にあった口永良部島の噴火を契機に
今までよりもさらに安全なところに避難場所を移した。
一方で、気象台は今後の噴火に注意するように住民説明会を開いたり
町は、この避難場所への訓練を実施していたという。
これらのことが実を結んで、今回、一人も命を落とさずに済んだ訳だ。
御嶽山の噴火で行政や火山を抱える自治体は、ようやく重い腰を上げたのである。
このことにより、各自治体が避難行動を改めて整備し始めている。
大涌谷の活動が活発になっている箱根町でも
避難誘導マニュアルが今年3月に完成したばかりのところで
レベル引上げとなった。
そんななか、きのう、去年の御嶽山噴火を教訓にした
活火山特措法改正法案を閣議決定した。
これにより、火山防災が少しでも前進することを切望する。

0