東京芸大というと、東大に入れても受からないほどの難関と言われ
5浪、6浪もざらで志願倍率は数十倍。
4/22付けの朝日新聞に最近の芸術系大学についての記事があった。
昨今の芸大の難易度の変化について、こう書かれていた。
「東京芸大の油画専攻の場合、2008年度の倍率は28.9倍だが、
18年度は18.7倍。美術学部全体でも18倍から12.5倍へと下がった。」
いまとなっては、少子化の影響もあって受験者は減る傾向にあり
「現役生でも目指せるようになった」と
記事中の予備校の先生がコメントしている。
ほとんどの芸大や美大の入試では、実技試験が課せられる。
その対策として、美大向けの予備校に通って、絵の勉強をする。
ただ、最近は実技試験がない大学や、
センター試験だけ入れる大学も増えているという。
東京の私立美大、多摩美や武蔵野美でも、一部の学科では
センター試験だけの受験もあるという。
何を隠そう、ワタシも芸大出身で
学科試験とは別に、実技試験を受けている。
高校の担任には、
偏差値だけで判断できない大学は
勉強のアドバイスはできない。
普通の大学も受けろと言われたが、
同じような大学しか受けなかった。
とはいえ、ワタシの専攻は、
映像とか放送だったので、
絵コンテや川柳、暗号解読や謎解きといった
ストーリーや発想力を問う試験だった。
いまでも覚えている問題に、
Q、『芸術』をテーマにして川柳を書け。
ただし、『ああ、そうですか』で終わるものは報告川柳と呼ばれている。
それに、ワタシは、
A、モネ描く 蓮に見とれて 池落ちる
と回答した。
※受験のあとで気づいたが、
モネが描いたのは蓮ではなく睡蓮だった・・・
また、
Q、この数列の法則を解くとどんな言葉が解読できるか。
A、サクラサク
という、「受かった!!」と思えるような答えが導けた。
ワタシの大学の先輩でもある
キッチュこと松尾貴史さんがこう言っている。
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「入学式で印象に残っているのが、講演で聴いた『ユニークたれ』という言葉。
高校までは『人と違うことをしたら怒られる』という雰囲気がありましたが、
『この大学では人と違うことが求められるんだ』と、興奮したのを覚えています。
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とのこと。
芸大は、独創性が求められると。
たしかに、絵の試験には、
一般的な試験と違って決まった正解はない。
基本ができてなんぼは言うまでもないが
評価の方法はいかに独自性があるか、かもしれない。
一般的に人と違うことをするのは
「出る杭は打たれる」文化のこの日本では非常に難しい。
そのおとなしい日本気質から
殻を破ることを教えられるのも、
芸大での教育やキャンパスライフかもしれない。
たしかに、ワタシの大学には
ユニークの一言では済まないような学生も多く
刺激をたくさん受けた。
その刺激とは違うかもしれないが、
就職活動で企業の面接に来る学生にも、
「独創性」はある程度、必要な要素かもしれない。

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