今週で父が逝ってからまる2年が経つ。
ひとり残された母は、人生で初めてのひとり暮らしを始めることになった。
父が死んで、しばらくは手続きなどやることが多く、落ち着く余裕もなく、
また、父の事をやっていられたからそのときは「父とつながっている感」があったが
2年も経つと、さすがに精神的に堪えてくるようだ。
ここ最近、暑いこともあるってか、身体の端々が痛いと言い出した。
もともと心配性ではあったが、輪をかけて、いろんなことに心配するようになった。
寝込んで買い物に行けなくなったら食べるものが家に無い、と言って食品を買いだめたり
台風が来て、屋根が吹き飛ばされたらどうしようとか、
差し迫ったわけではないことを心配している。
父の兄弟や母の兄弟も心配して、家を訪れてくれたり、電話したりしているが、
「死にそうな声で話をしている」と・・・余計に心配になると私にいう。
また、何か言えば、「できない」「しんどい」「頭がパニックになる」
と言って、避けようとする。もう自信と気力がゼロ。
それを心配して?見かねて?母の実家に住む実の姉が、
母を引き取ってくれることになった。
(まあ、すんなり母が首に縦を振るはずもなく、説得の末のことだが)
ということで、ひとまず期間を定めずに母は岡崎に移住することになった。
私は2週にわたって愛知に帰省して、引越しの準備をすることにした。
コロナも、いいタイミングで落ち着いてきたことも背中を後押ししてくれた。
母には 1週間かけて、荷物をまとめるように伝えた。
「まとめられるかな・・・」と不安げ。
私はというと、
家を空き家にすると言うことも心配のひとつだけど、やるしかない。
まずは、泥棒対策。
パナソニックの家庭用防犯装置「ホームユニット」を我が実家には付けていた。
これは、母の生存確認のために、宅内の廊下にセンサーをつけて
ちゃんと生活しているかを確認していた。
それに派生する形で、今回、屋外カメラとドアセンサーをつけた。
このパナソニックのシステムは、非常によく出来ていて、
スマホやタブレットからシステムの操作ができる。
運用モードも、警戒(宅内)、警戒(留守)、解除があって
警戒にしておけて、不審な反応があれば、スマホに通知が来る。
また、屋外カメラの範囲内に、動く対象物映ると自動録画される。
無論、リアルタイムでスマホからカメラ映像を監視できる。
それと、気休め程度の窓ガラスの防犯シート。
ガラスをやぶられ錠を開けられないようにするための
ガラス保護シートだけど、これは破ろうと思えばすぐ破れてしまう。
なにより、一番の対策は、雨戸。
父の闘病中に急遽、リフォームした際に、雨戸も木製の重厚なものから
アルミに変えた。
重厚の方が良さそうに感じるが、ロックがかからなかった。
防犯対策は出来る範囲のことをあれこれやったが、
あとは家の中の湿気などの対策。
空き家になるとすぐ家がぼろくなると言う。
実際どんなものか分からないが、半月に1度や1カ月に1度は
風通しに行くようにするつもりだが。。。
部屋用の換気扇をいくつか付けたいと思っている。
母には、冷蔵庫のものを消費、または処分するようにと伝えたのに
引越しの前まで、放置状態だった・・・結局私が母と一緒に、処分作業する。
困ったのは、生ゴミの処理。土日の間は、ゴミ収集はない。
そのまま家に放置したら・・・お察しの通りになるし。
思いついたのは、引越し先で捨てる。あとは、庭に埋める。
車で運ぶ間も臭うが嫌なので、庭に埋めることにした。
広い庭がこんなところで功を奏した。
引越し当日、近所へ挨拶回り。お墓へお参り。
昼過ぎに、家を出た。
母の実家は、西尾市の北の岡崎市にある。東名高速岡崎インターの近く。
家から車で30〜45分のところ。
母は8畳ほどの広い部屋が与えられた。
これまでふとん生活だったのがベッドに。
クローゼットも衣装ロッカーもあった。
環境としては万全。
なにより、姉ご夫妻に加えて、娘(私のいとこ)の大家族もいるので
賑やかな家。
ひとりで細々暮らしていた生活に比べれば、
これひとつとっても元気に暮らせるはず。
まだ始まったばかりだけど、
好き勝手やってきた生活から、集団生活に。
母に笑顔が戻ることを切に期待したい。

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