想像地図の描画は今年6月29日に10周年を迎えた。
紆余曲折を経て、今、城栄国の首都を描く前段階である。
想像地図の描画は、原則的に第1・第2・第3次の原案(それぞれ500万分の1・50万分の1・10万分の1)で下描きをしてから、本描画に移る。
現段階で第3次原案が進行中である。この段階で、都市の姿はあらわになってくる。
しかしながら、やはり首都。今までに描いたことのない、非常に大規模な都市を描くというのは、大変な作業である。
架空地図を作ったことがある人は、おそらく意外と多い。想像するという行為は、人間の脳にとって最も基本的な活動だろう。そして、多くの子供は脳内で適当に想像した世界を絵に描く。そのとき、それが上空から見た絵であったなら、それは架空地図と言わざるを得ない。
だが、子供時代の趣味を大人になっても続けているのは簡単なことではないし、架空地図という活動自体、妄想力を前面に出した趣味なので人に語ることを憚る人も多かろう。
また架空地図という趣味は、自分の創作世界観を前面に押し出すという特性を持っているため、「趣味を他者と共有する」ということが難しい(このことは架空言語に対しても当てはまるだろう)。
それゆえ、趣味というレベルにまで架空地図を発展させる人は少ない。ましてや、筆者のように微分積分のような数学的知識まで動員して架空地図を製作する人は、おそらく世界中を探しても数えるほどしか居ないだろう。また、居たとしても1つの街を描く人が多数派で、国の全域を1万分の1で描く人は、筆者の他にどれほど居るだろう。
従って、東京レベルの超巨大都市を架空地図で再現しようとする試みは、おそらく世界初である。「世界初」を行う以上、それ相応の覚悟が必要である。
第2都市・生方を描く準備期間が約1年。第3都市・日下部を描く準備期間が約半年。首都・南栄を描く準備期間は、一体どれほどで終わるだろうか。ちなみに第1次・第2次での原案作成は今年5月頃から始まっている。

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